母と車椅子
熊本空港は杖だけで歩行できたので、羽田で車椅子を手配するのを忘れ、空港の端から端までを歩かせてしまった。動く歩道はあるものの、手すりは右にあったり、左にあったりして、不便だった。搭乗の時カウンターで頼んでおけば良かったのだ。
結婚式場は船だったが、ここは予め予約してあったので、屈強な若者が4名で母の車椅子を持ち上げ、階段の上り下りをしてくれた。
翌日は新幹線の利用だったが、改札で手配を頼むと、号車の前まで駅員さんが運んでくれた。私は自分で押すものと思っていたので、荷物は肩にかけて両手をあけていたら、全部駅員さんがやってくれた。列車に乗り込むまで見送り、車内は車掌さんが案内してくれ、着いたホームには次の車椅子が待っていた。東京駅の構内も駅員さんがスイスイと押してくれ、エレベーターを使って、地下5階の総武線のホームまで運んでくれた。
八街駅は小さいので、そこでの車椅子は断ったが、特急の中で車掌さんが車椅子の手配はいいのですかと聞きに来た。情報は共有されているらしい。
母も私も皆に親切にされ、大いに感激した。母は数年前までは、車椅子に乗ることを遠慮してためらっていたが、今では母が車椅子を利用することが、皆のためになることを十分に理解している。多少の気恥ずかしさはあるものの、お姫様気分も味わえ、怪我することもなく、まわりがスムーズに動くので、いいことだと思う。